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June 18 ほしいものの表 want list [本・読み物 reading books]

June 18, 2008 (Wednesday)

「おもて」じゃなくて「ひょう」です。「うら」はないです。

   洋古書のwant list というのは、いまはいろんなところでありそうだけど、モーリちゃんの父は10年以上前にはじめたABE のwant list を継続している(つーか、そのままになっている)。某wish list とは違って別に個人情報は他に漏れないと思う。AbeBooks.com 〔記憶に間違いがなければ,かつてはもっぱら古本屋の集合体(連合サイト)―consortium―だったし,ABEと表記していたと思うが、現在新本も扱っている。1995年創設、96年Websiteを開設、CanadaのVictoriaに本拠を置く。現在五つの regional websitesを展開―North America, France, Germany, the UK, Spain (Iberlibro.com)。Wish Listをいろいろな細かい条件を付してつくることが可能です〕


お、これはBGMがある。 ひとつだけ

   まあ、条件を「ギリギリ」しぼれば、ヒット通知が来たときに「やったね!」という気になるのだろうが、つい欲を出して 「コレコレ関係の本」もみたいなのをリストに加えると、しょっちゅうヒットして、かつ、だいたい持っている本だったり知っている本だったりするわけです。今朝メールを見ると、"Abebooks has found the book you want" のタイトルがあり、見ると

 

We have matched your Want with one or more books now available on our Web site, including the following (please note that only the lowest and highest price matches made today are displayed):

1. Sweet Rocket,

Mary Johnston

9780548880302, Brand New! Leaves warehouse in 1-2 days.

Bookseller: textbookxdotcom, Norwalk, CT

Price: US$ 20.25 (¥ 2186.29)

 

  とあった。Mary Johnston (1870-1956) は日本ではほとんど読まれていない(かどうかは知らないが)、紹介されていない女性作家だと思うが、19世紀末に処女作Prisoners of Hope (1898)のあと1899年に雑誌Atlantic Monthly に連載して1900年に単行本になった第2作 To Have and Have Not がベストセラーになり、1902年のAudrey、1904年のSir Mortimer と、いずれも歴史小説で、広範な読者を獲得した、ロマンス作家である。だけど、同じ19世紀末の、いちおう時代で言うと自然主義の時代に作家として名を挙げた作家たち、 Jack LondonやTheodore DreiserやHamlin Garland (はローカルカラー作家かな)、あるいはやはりよく読まれた大衆作家だとWinston Churchill (チャーチルのいとこ)とか、1910年前後くらいから現実的でないヘンな作品を書くようになっていったように見えます。もちろん最初からヘンなAmbrose BierceとかRobert Chambers とかJames Huneker とかもいたわけですけど。

  そのなかで有名かもしれないのはHamlin Garland で、1906年に心霊研究をフィーチャーした『闇の専制』The Tyranny of the Dark を発表し「1906年の変節」と言われます(モーリちゃんの父はどこでそれを読んだのか、たぶん後述のHart だろうと思います。アメリカの古い教科書版のRinehart 版のGarland の本のbibliographyからはきれいにこういう作品は削除されている――なかったことのように)、1908年には同じく霊媒小説(ノンフィクションとしても読める)『影の世界』The Shadow World、晩年には『心霊研究40年』Forty Years of Psychic Research: A Plain Narrative of Fact (Macmillan, 1936)、『埋められた十字架の謎』The Mystery of the Beried Crosses: A Narrative of Psychic Exploration (Dutton,1939)などのオカルト研究書を発表しました。前にも書いたかもしれないけど、カリフォルニアというのはすでに第2次大戦前からヘンな運動が盛んにあったわけですが、ガーランドの生まれはWisconsinで、彼の文学史に残る小説の舞台は彼がその後過ごしたIowaだけど、晩年はカリフォルニアのハリウッドに越してきてオカルト研究に没頭するんです。モーリちゃんの父はガーランドの晩年の日記を拾い読みしたことがありますけど、小説家としての仕事は意味がなかったことかもしれないみたいな(それはpsychic researchに比してということなのだが)さみしいことを書いていて、ちょっとショックを受けたのを覚えています。ついでながら、有名なHart のCompanion to American LiteratureThe Shadow World を作品に入れていないのだけれど、どうやらノンフィクションとして扱ったものらしい。それはガーランドも本望というものかもしれませんが。

MaryJohnston.jpg (Mary Johnston 1870-1936)

  えーと。ジョンストンでした。ジョンストンも年を取るにしたがって、神秘主義的なものへの関心をあらわにしていきます。各短篇の登場人物が転生しあっている短篇集The Wanderers (1917)のあと、第1次大戦後のMichael Forth (1919)とSweet Rocket (1920)では霊的進化論や宇宙観が表明されるようになる。近年はフェミニズム批評のほうからメアリー・ジョンストンの再評価が行なわれだしたようで、短編集の刊行とか行なわれていますけれど。

たしか、これだったと思う。しかしもう25年も前ですか(愕然)⇒ Collected Short Stories of Mary Johnston (1982)

  で、want list のhit の通知ですけど "brand new" ってなんだよ、と。でメールの "View or Order this Book" をクリックしてみると、おおむね次のように出てきます。

 

Image Not Available Sweet Rocket
Mary Johnston
 
 
 

Bookseller:
textbookxdotcom
(Norwalk, CT, U.S.A.)
Bookseller Rating: 4-star rating
Book Price:
US$ 20.25
[Convert Currency]

Quantity: > 20

 
 About the BookBookseller & Payment Information 

Description: Brand New! Leaves warehouse in 1-2 days. Bookseller Inventory # R193602309

Bibliographic Details

ISBN: 9780548880302
Book Condition: New

 

    

  なんだよ、これ。本屋ならちゃんと情報出せよ! と思うのですが、結局この本は今年の2月にKessinger が出したファクシミリのリプリント版なのでした。まあISBNがついてるから、それをクリックしろということかもしれないが、しかし、それは本屋として根性がおかしいとモーリちゃんの父は思う。Kessinger というのはいっぽうでオカルト関係のキコウ本のリプリントを出している出版社ですけど、過去のマイナーな文学研究書(批評書)や作品もペーパーで出しているおもしろい本屋です( http://www.kessinger.net/)。

31KyRzaakgL._SL500_AA240_.jpg

実はSweet Rocket は初版(じゃないかもしれんが20年代の)を持っているのですが、もう1冊あってもいいかなあと、want list に(笑)。だからKessinger のは買いません。新たなイントロとかついてれば別なんですけどねー。それに今びんぼーだし、買うけっしんがーつかん(おやじじゃ~笑)

MaryJohnston_seatedwithmagazine_George GranthamBainCollection.jpg

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参考リンク

Project Gutenberg のMary Johston のe-texts:

 

Project GutenbergのHamlin Garland のe-texts:


Kessinger Publishing - Rare Reprints of Hard to Find Books <http://www.kessinger.net/> 〔Kessinger のHP〕

  以下Kessinger にかかわるいくつかのサンプル――

「Kessinger Publishing の稀覯復刻本がいくつか - 君がいてさらわれる気がなくなった」<http://blog.goo.ne.jp/marimario_2007/e/9a5355359a4d0f42c3e35f9304c90c47> 〔聖典研究に邁進しつつ宗教人類学の必読文献に勤しむ人のblog 2007.4.18〕

「作曲家関連の本」 <http://chorch.fc2web.com/books.html> 〔リストとワグナーにKessinger〕

「小島研究所:入り口」 <http://209.85.141.104/search?q=cache:-uDKtPFt2zAJ:www.koma.econ.meisei-u.ac.jp/koji/+Kessinger+Publishing&hl=ja&ct=clnk&cd=22&gl=jp&lr=lang_ja&client=firefox-a> 〔経済学畑の「貴重本の出版社」として、Kessinger Publishing について、「奇観本を廉価に提供している。出版社の「出版年」さえ記載がなく、学術的な「信用度」はないかもしれないが、クラークソンの本など、日本の図書館では手に入りにくい書籍も手に入る。紙だけでなく、eBook版があるものがある。」 だけど、出版年は本のカヴァーのタイトルの後にだいたいついてます(笑)。基本的にファクシミリなので、元の本の情報を補足的に手に入れれば、信用度は高いとモーリちゃんの父は考えます。ふつうのリプリントが、きちんとしたtextual criticismを適用しなければ、退行の一途をたどるのに比べれば、よっぽど信用できる〕

アムハラ語、アルメニア語、ギリシア語、etcを学習して感じたこと」 <http://members.at.infoseek.co.jp/bernardsstar/ber6amh.htm> 〔Amharaic アムハラ語を学んでいる人のページ。「The Hittite And Thier Languageという本(Claude Conder著。Kessinger Publishingによる復刻本)を読んでいます。」〕

 


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