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June 25 おおカリフォルニア!(5) おおスザンナ! (5) Oh! California Oh! Susanna  2番の歌詞の解釈(暫定版) [歌・詩]

June 25, 2008 (Wednesday)

  モーリちゃんを小学校まで送って、早朝からやっているLucky (5時~)、Longs Drugs (8時かな)、Trader Joe's (9時~)各店舗でモーリちゃんの誕生日に備えてあれこれ買って、9時30分にはうちに帰ったのです。今日は大学へは行かないで、昨日Music Libraryでとってきたコピーをスキャンしようかなあ、とか思って(彼女らの前であんまりやれない作業なので――何やってるの、と言われることは間違いなく・・・・・・まあ、いいんですけど)。で、昼前にスキャンは仕終えたのですけど、どういうふうに加工してどういうふうに版権をクリアーしてみたいなことを考えたら頭が痛くなったので、このかん考えていた問題の2番の私なりの読みを暫定的に提示しておくことにします。

  行番号を、RPOにならってふります。まずRPO <http://rpo.library.utoronto.ca/poet/127.html>――

11 [Solo] I jumped aboard de telegraph,
12 And trabbelled down de riber,
13 De Lectric fluid magnified,
14 And Killed five Hundred Nigger
15 De bullgine buste, de horse run off,
16 I realy thought I'd die;
17 I shut my eyes to hold my breath,
18 Susana, dont you cry.

  同じ1848年のHolt版だけれど、別ヴァージョン(モーリちゃんの父が以前提示したヴァージョン)―― モーリちゃんの父的には当然ながらこいつを権威あるものとして典拠としますので色を変えておきます(笑) ――   

11 I jumped aboard de telegraph,
12 And trabbelled down de riber,
13 De Lectric fluid magnified,
14 And killed five hundred Nigger
15 De bullgine bust, de horse run off,
16 I realy thought I'd die;
17 I shut my eyes to hold my breath,
18 Susanna, dont you cry.

   参考の既訳(1) worldfolksong.com <http://www.worldfolksong.com/foster/song/osuzanna.htm> ――

11-12 俺は電信機に乗って川を下り
13-14 電流を上げて500人の○○を○○した
15-16 エンジンが爆発して馬が走り出し 本当に死ぬかと思ったよ
17-18 息を止めて目を閉じた スザンナ、泣かないでおくれ

〔「<注:○○部分はあえて訳を割愛>」〕

〔「気心の知れた仲間内で陽気なメロディーとともにナンセンスな詩を歌って浮かれて騒いでいる様子がまるで目に浮かぶようだ。特に2番の歌詞は子供っぽい意味不明な歌詞で、日本ならよく小学生が歌っていそうなレベルのナンセンスな歌詞となっている。」〕

   参考の既訳(2) 藤井さん <http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/F/Foster/S1623.htm> ――

11-12 俺は電信柱に飛び乗って 川を下って旅したぜ
13-14 電流を目いっぱい上げたんで、五百人の黒ん坊を殺しちまった
15-16 機関車は爆発するわ 馬は逃げ出すわでマジ死ぬかと思ったぜ
17-18 俺は息を止めて目を閉じる ――スザンナ、泣くんじゃねえぞ

〔「特に困ったのが2番、意味もよく取れないんですが、黒人たちをぶっ殺したなんて事も無げに言っているところはどうでしょう。当時全く新しかった電気というものをネタにしているあたりもけっこう私は驚かされてしまいましたが、こんな感じが当時のミンストレルショーの典型的な歌だったのでしょうかね。「故郷の人々」や「ケンタッキーの我が家」などでは虐げられた黒人たちにも共感の眼差しを注いでいたフォスターですが、初期の作品はこんな人種差別もネタにした伝統的なコミックソングをやはり書いていたのだ、ということが感じられてちょっと考えさせられました。現在はこの2番はまず歌われることはないようです。A telegram [ママ]というのは電信そのものであって目に見えないわけのわからないものに乗るというコミカルさを狙ったのだとも思えますが、私が感じたイメージは電信を伝える設備として一番目立つ電柱でしたので、誤りかも知れませんが「電信柱に飛び乗る」としてみました。その方が川を下るところのイメージも付きますし。あとbulgineというのは小型の蒸気機関車のようです。綿花などを積み出す港などで活躍していた機関車なのでしょうか。」〕

  参考の既訳(3) yamahisa さん〔これはあとから見るとオリジナルじゃなくて(1)の伏字を補ったものですね〕 <http://14.studio-web.net/~yamahisa/ohsusanna.html> ――

11-14 俺は電信機に乗って川を下り電流を上げて500人の黒人を殺した
15-16 エンジンが爆発して馬が走り出し 本当に死ぬかと思ったよ
17 息を止めて目を閉じた 
18 スザンナ、泣かないでおくれ

〔「ここでは、原詩の2番の歌詞が黒人への差別感を含んでいるので紹介するに止め、発声させなかった。」〕

  参考の既訳(4) 津川主一 (上のどなたかによると版権の期間中だそうですがモーリちゃんの父は引用します)<http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/oh_susanna.html>ほか。――

11-12 船に乗り込んで川を下り
さまざまな事に出会いました
16-17 時には死ぬような思いをして 息をこらしたり立ちすくんだり
18 おお スザンナ泣くのじゃない

  あと、この一節に関して注釈的なものを含むもので目にとまったのは、すでに言及したNPR ("Today, however, the original version of the song isn't performed, says Ken Emerson, author of Doo-Dah!: Stephen Foster and the Rise of American Popular Culture. The second verse is violently racist. Emerson says that artist performing Fosters' songs these days leave out the offensive lyrics.")、 RPIのfootnote , wikipedia ("Foster's version included another verse that is rarely sung today because of its "violently racist" content")のほかはMatthew Shaftel, "Singing a New Song: Stephen Foster and the New American Minstrelsy" <http://www.music.ucsb.edu/projects/musicandpolitics/archive/2007-2/shaftel.html> 〔Music and Politics のなか〕が有益でした。

   では注解。

l. 11 I jumped aboard de telegraph: de telegraph は the telegraph。「電信」自体は言葉としては以前からあるけれども、アメリカではMorse (日本でモールス)の電信実験が行われたのが1837年9月、電信機の特許が1840年6月、改良した符号(モールス信号)で実際の送信実験に成功したのが1844年5月のことで、最近の科学的発明であった。ただし、ここでは蒸気船の名前として(あるいは蒸気船を指す言葉として)用いられていると考えられる。このへんまだ確定的な調べはすんでませんが、たとえば当時の新聞の検索で "steamboat telegraph"で入れた結果を見てみてください――<http://www.hhpl.on.ca/GreatLakes/Scripts/News/results.asp?SearchTerms=%22steamboat+telegraph%22&DateOldest=1830&DateNewest=1850&OrderBy=Oldest&Coll=>。あるいは <http://freepages.genealogy.rootsweb.ancestry.com/~twigs2000/1000cruise.html> 。 このへんはカンで調べていたのですけど、上記Shaftel の論文には "The second verse describes a frantic ride that includes cutting-edge technology—from the telegraph, which was also the name of a well-known steamboat, to the train"と書かれていますが、「有名な蒸気船の名前でもある」とのことです。上にあげたリンク記事はモールスの1837年の実験の後、1830年代末の新聞記事なのですけれど、北部で国の蒸気船として救助やらに活動していたらしい。そして、北部であることは北部で演じられるミンストレルとしてはなんの齟齬もなかった。むろんわざわざ「電信号」を出すのは、13行の「電流があがって」という誤解につなげるためですし、ここも含めた一節の全体的なトーンは、新しい文明を知らない話者のこっけいな誤解に基づく描写ということです。ともかく12行に "down de riber" (down the river) とあるのだから、一番表面は蒸気船、その裏に電気系統の誤解。

l. 12 down de riber: この川が何川なのかまじめに考えるとよくわかりません。アラバマ州の西南にミシシッピ州をはさんでSusannaのいるルイジアナ州があります。ミシシッピ州とルイジアナ州の境界を流れているのが有名なミシシッピ川で、 "sell ... down the river" という有名なフレーズはミシシッピ川の下流の過酷な奴隷労働と関係しているということになっています。が、アラバマ州にミシシッピ川は流れておらず、流れているのはアラバマ川で、それを下っていくとメキシコ湾に出ちゃいます。3番の、現在の歌われている歌詞で"I'm coming from Dixieland" のところはもともとは "the South" から、となっていたのですけど、それはナンセンスですね。となると同様の地理的ナンセンスなのでしょうか。けれども、アラバマ川をくだって、そのままニューオーリンズへメキシコ湾上を航海するのがreasonable と思われます。

l. 13 De Lectric fluid magnified: ここで de Lectric fluid ("the electric fluid" と耳にした electirc を "lectric" と誤解している)が出てくるのは文明がらみであると同時に、11行目の telegraph と関わる。つまり話者はテレグラフ号が電気で動くと考えていた。

l. 14 And killed five hundred Nigger: killed の文法的問題については前に書きました。自信はないですが、"I" が主語ととるのはむしろ不自然だろうと思われ。であるなら主語は電流、もしくは電流が巨大になったこと、で、それは蒸気船の出航のさまを描写しているととります。"Killed" は実際に殺したのではなくて、死ぬような思いをさせた、ととりたい。

l. 15 De bullgine bust, de horse run off: bust = burst. bullgine はいくつかの注釈が言うように、"bulgine" という語形でlocomotive の意味で使われ、それは他の歌にも例がある。それはそうだ。しかしここで突然汽車に乗り換わるのだろうか(Shaftelはそう読んでいます)。horse については、Shaftelも言うように、horse-power (馬力)の意味の勘違いだろう。ちなみに「馬力という単位は、ジェームズ・ワット蒸気機関の能力を示すのに、標準的な荷役馬1頭のする仕事を基準としたことに始まる」。であるなら、"bull"gine という同種の動物(bull = オウシ)を入れるために、この言葉が選ばれたととりたい(だからbulgine ではなくてbullgine)。こうなると話者が誤解しているというより、誤解しているように作者が操作している感じが高まるが――あるいはミンストレル的にいえば、黒人のなりをした白人が黒人としておかしなことを言って笑わせるけどそれは黒人のセンスじゃなくて白人のセンスみたいな二重性――愚かな黒人という仮面をかぶって遊んでいる(これは必ずしも馬鹿にしているということにはならない)ということではないかと思う。いちおうへりくつを続けると、話者はテレグラフ号がエンジンをもっていて電気で動くと考えていたのであり、この行も出航の描写ととりたい。訳しようもないが(しょうもな)、エンジンがパンクして馬力が駆け上がった、みたいな。

l. 16 I realy thought I'd die: おりゃ、死ぬかと思った。なんでか。15行の結果。なのだから、機械関係のなんかがあって→死(んだよう)、という関係は13行の電流と14行の500人の黒人の死、というのと構図は同じだということが確認されます。話者("I")は500人の黒んぼと一緒なわけです。それはミンストレル・ショーの舞台では明瞭だったでしょうし、詞の中では4番のなかで話者が自分を "this darky" と呼ぶことで明瞭になっています。それをあたかも白人が500人の黒人を暴力的に殺戮する物語ないし夢想であるかのように読むことがおかしいのではないかと思う。ちょっといま手元にOEDがないのでちゃんと確認できないけど、Niggerの一語だけで差別というのであるならそれもおかしいはず。

l. 17 I shut my eyes to hold my breath: 津川主一は「息をこらしたり」と訳しているのですねー。ふつうは息をころし、目をこらすんだと思いますが、ささやかに遊んでいるんですかね。いや、「息を凝らす」は「息をとめ、緊張している」ようすですか(『広辞苑』)。 うううむ。ふざけた訳しか思いつかない。

以上 暫定ⓒmorichannochichi(w) 2008

追加注(アラバマとルイジアナ)

Alabama.jpg わたしゃアラバマからバンジョーひざに

 

Louisianna.jpg  はるばるルイジアナへといくところ♪

 

 

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