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July 14 リサイクルとCRV California Refund Value, California Redemption Value [店・買い物 shopping stores]

July 14, 2008 (Monday)

  〈承前) 

  で、CRV というのは deposit の一種です。近年は日本でもデポジット制度の導入がいろいろ検討されているようで、 みんなの知恵蔵の記述を借りるとこうです。――

  デポジット制度

  製品本来の価格に預かり金(デポジット)を上乗せして販売し、消費され不要になった製品などが所定の回収システムに返却された場合に、預かり金が返却される(リファンド)制度。回収促進のインセンティブが働く。空き缶、空き瓶のみならず、諸外国で行われているように、車、電気製品などにも広く適用できる。排出者がそれを環境中に放置しなかったことを、そのものを返却することで自発的に証明するところに制度のユニークさがあり、効果的なモニタリングシステムになる。より正確なモニタリングが必要で、有効な回収が達成されなければならないケース、例えば資源保全のために回収率を向上させることが求められる場合や、有害物や危険物のごみへの混入、廃棄物の環境中への投棄や散乱を防止する必要がある場合など、において適用されるべき制度である。
( 植田和弘 京都大学大学院教授 )

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」

  「排出者がそれを環境中に放置しなかったことを、そのものを返却することで自発的に証明するところに制度のユニークさがあり」という日本語は、全体的な翻訳調の香りとともに、なんだよ「排出者」って、という違和感がありますけど、日本の例で既に実行されて有名なのはびんビールの5円です。でも第一に、消費税と同様に外税的に購入時に付加されるのと、第二に、企業の再利用という以上にもっとエコロジー的な、要するにリサイクル運動的なものが背景にあるようなのがビール瓶とは違うところです。

  外国の状況も見据えて日本に視座を置いた視点からの解説としては、「目からウロコの経済学」の「経済雑記3.1デポジット制度とは何か?」が詳しくわかりやすいと思いました。(日本語のウィキペディアに「デポジット」の項目はありますが、なんだかわけがわからない「「保証金」と訳され、容器やサービスを利用する際に必要なカードなどを貸借する際に支払う「預かり金」のこと」―書きかけ項目です。あとウィキペディアの「リサイクル」も日本だけで、ふじゅうぶん―冒頭の写真のキャプション「歐洲的回收機,丟入瓶子可以領錢」は笑えますが)。ただやっぱり解説で次のような文体が出てくるとちょっと思想的とは言わずとも感覚的にも抵抗を感じます。

デポジット制度の特徴は、自分はポイ捨てによって環境を汚染しなかったことを、返却によって消費者が自ら証明するインセンティヴが働く点にある。すなわち、規制当局が排出量をモニタ(監視)しなくても、規制対象者が排出しなかったことを自分で証明してくれるシステムである。潜在的な汚染原因者自らに回収させるため、きわめて効率的なモニタリング・システムであり、費用も政策当局が自ら監視する場合と比較して安価で済むと考えられる。

デポジット制度は容器への預け金を製品料金に含み、容器返却時に払い戻すことによって、返却に動機づけを生じさせるのとともに、返却されない場合であっても、使用した消費者に公平な費用負担を与える効果がある優れた制度である。容器だけでなくその他の製品においても、実施した各国で有効性が実証されている。リターナブルびんのように回収率を高める必要があり、容易に再使用可能な容器では、特に有効性を高いといえる。 デポジット制度は、再資源化、費用負担の適正化、散乱ゴミ対策などを単独で一挙に解決できるバランスのよい制度である。税金負担の場合と異なり、製品購入に係わる者だけが費用を負担するのに加えて、再資源化に協力する消費者に対してはデポジットを払い戻すため、より公平な費用負担が可能となる。

・汚染原因者負担の原則(PPP:Polluter-Pays Principle)

環境汚染に関するコストは市場で取引されない外部コスト(社会的コスト)として扱われており、社会全体の負担となる。しかし、そうしたコストは、汚染原因者自身が本来負担するべきであるというのが、汚染原因者負担の原則である(1つの価値観)。

市場メカニズムを利用してインセンティヴを与えることは、環境を保全するための1つのアプローチとしては優れたものであり、いわゆる「市場の失敗」を是正する上で実効性の高い仕組みであると評価されている。

   まあ、資本主義社会に生きて生活して消費している人間はみんな汚染者・汚染原因者だと言われればそれまでですが、というかそういう意識こそが環境と人間との関係で大事なのだということなのでしょうけど、よかれあしかれエコロジー思想ですな。しかし最初の段落の「汚染しなかった」というのと あとのほうの "polluter" という呼称は論理的にはおそらく矛盾しており、ビンカンを償還したって汚染者なのでしょう。

  缶についての説明で、いかのようにあるのは示唆的です。

・缶についてのデポジット制度

自発的デポジット制度は缶については成立していない。その理由は、使用済みの缶から再資源化された原料から缶を作るコストが、新しい原料から作るコストよりも割高だからである。

企業は、自発的にデポジット制度を導入しようとすればできたのに導入しなかった。それは、自発的デポジット制度の導入が企業にとって不利益だったからである。いい換えると、政策的デポジット制度によって飲料缶の返却が進むことは、企業にとってありがた迷惑である。

また、もし、缶が返却されなければ、消費者から預かったデポジットは、そっくりそのまま企業の収入となる。そのため、缶が返却されないようにしようとするインセンティヴが企業には働く。つまり、消費者が缶を返却するのに要する費用を企業は増加させようとすると考えられる。

  そう。ただ、回収されなかったデポジットが企業にいくか自治体へいくかは制度により異なるでしょうけど。そしてさらに缶製造メーカーも、店舗も、デポジットによるリサイクルに積極的に賛成しない、どころかアメリカだとlobbyism で積極的に反対してきたところがあるわけです。

   アメリカでこういうビンカン回収にかかわるデポジットが最初に法制化されたのは1971年の "the Oregon Bottle Bill" だとされています(左のリンクはオレゴン州のページ)。カリフォルニアは15年にわたって議論を続け、その間いわゆるリサイクル推進団体の運動〈代表的なものは今日も活発な活動をしているCAW: Californians Against Waste 〔1977年設立〕)なども起こり、ようやく1986年にBeverage Container Recycling and Litter Reduction Act of 1986 が通過し、翌1987年からCRV制度がスタートしました。はじめは炭酸飲料の容器だけだったのが、いろんな飲み物に拡大しています。value は最初1セントだったのが、2004年には小が4セント、大が8セントになり、シュワルツェネッガー知事はさらに2007年から現行の5セント、10セントにあげることを決めたのでした。

  これが、前にも引いた、未来時制の(ということはupdateしていないということ?)、通知に関わります。――

Consumers pay CRV (California Refund Value) when they purchase beverages from a retailer, which is refunded when they redeem the containers at a recycling center.  Effective January 1, 2007, CRV paid to consumers when they recycle containers at recycling centers will increase to 5¢ for each beverage container less than 24 ounces and 10¢ for each container 24 ounces or greater. 

消費者は小売店から飲料を購入するときにCRVを払いますが、それはリサイクル・センターに容器を回収〔redeem 償還〕したときに払い戻(refund 償還)されます。2007年1月1日より、消費者がリサイクル・センターへ容器をリサイクルしたときに支払われるCRVは24オンス未満の飲料容器ひとつにつき5セント、24オンス以上の容器ひとつにつき10セントにあがります。

モーリちゃんの父は知らなかったのですが、店で支払うvalue (deposit) のほうは7月1日まで前の4セント、8セントのままだったんだそうで。なんか、もうけ♪っていう感じでいいっすね。「容器の情報 市民のための環境学ガイド」の情報は2001年暮れにそれまで蓄積したデータをまとめたものだそうで、ちょっと古いですが参考のため――

(1-3)カリフォルニア州の場合
1987年導入
対象:ビール、モルト、ソフトドリンク、ワインドリンク、ミネラルウォータ、炭酸水
デポジット額:小型(24オンス以下)2.5セント、大型5セント
仕組み:消費者が払い戻しを受けたい場合には、最寄の回収ポイントに持ち込み、権利を放棄する場合には自治体回収ルートに乗せる。
回収ポイントには、有志の酒販店、スーパー、ガソリンスタンドなど
回収率:アルミ85%、ガラス75%、ペット66%、全体:81% 

  ワインのビンは回収はするだろうけどCRVはついてないですね、現在。モルトって何を指しているのでしょう、ウイスキーですかね?? 回収率については州の担当の役所のホームページ "Beverage Container Recycling" に "Statistical Report of Redemption and Recycling Rates" として年2回 biannual のレポートがpdf.ファイルで出ています(現在5月に出されたものが最新。重たいので興味のない方以外クリック注意)。

    役所も "beverage container" と言っているわけですけど、上に名前をあげたCalifornians Against Waste (この名前、ちょっと反Thomas Pynchon 的?)なんかは、食品のビン(これはガラス瓶が結構多いのでわからなくはない)や化粧品の容器とかに拡大しろと運動しています ("SB 1625 (Corbett) Updating California's Bottle and Can Recycling Law")。で、このCAWのページには賛同者と反対者それぞれのリストが載っておるのですが、反対者に名を連ねているのは  American Chemistry Council, California Grocers Association, California Chamber of Commerce, California Nevada Soft Drink Association, California Recycling Services Corporation, Clorox, Coalition of Independent Recyclers, Consumer Specialty Products Association, SC Johnson, Soap and Detergent Association といった団体や企業です。どうなることやらわかりませんが、deposit が戻ってくるサイクルは確保していただきたい。

  「目からウロコの経済学」にもあり、Wikipedia の "Container deposit legislation" の記事にもあるように、CRV のお金返金システムはホームレスの人たちに(あと一部の非営利団体の活動に)利用されているというか、収入源になっているようです。正直言って、彼らがリサイクルに貢献しているのは明らかで、リサイクリング・センターを観察していると、みんなが来ているようにはとても思えません。もっともいちおう住宅からのゴミ収集も青バケツか緑バケツか(これ市によってちがうのかしら)がリサイクル品ということになっているようで、deposit を回収しないでよいと考えている人も多いのかもしれませんけど(回収されないdeposit は自治体の収入になるようです)。

  いま気づいたのですが、2度にわたって引用したお役所の文書では "CRV (California Refund Value) " となっていますねー。で、文章中にはredeem (つまりredemptionの動詞です)とrefund の両方がでてくる(これは最初に読んで目にとまったので、原語をカッコに入れて示したわけですが)。Wikipedia の記事は "California Redemption Value" をタイトルとして採用し、冒頭でCRVの多義性に触れているのでした。――

California Redemption Value (CRV) is a deposit paid on purchases of certain recyclable beverage containers in California. The consumer pays CRV on the purchase of beverages with aluminum, plastic, glass, and bimetal containers and can be reimbursed if the containers are brought to a recycling center.

California Redemption Value is easily confused with California Refund Value, which is the amount recycling centers pay to consumers in exchange for empty bottles and cans. This discrepancy is usually unimportant because the redemption (or deposit) value is usually the same as the refund value, although they are different at times. The acronym "CRV" is often used to denote either.

  まあ、そうだろうが、CRV はCalifornia Refund Value だ、とシュワちゃんは言うでしょうな。 それにしても、この2段落目の California Refund Value のクリック先、リサイクルというかリダイレクトされて、自分なんですけどーw

"California Refund Value"  グーグルで3,110件(日本語で19件)、ヤフーで10,200件

"California Redemption Value"  グーグルで4,590件(日本語で33件)、ヤフーで27,400件

まあ、State of California, Department of Conservation のHPで検索かけると "California Refund Value" が94件、それに対してヤフーやグーグルの検索結果と逆転して少ないものの、"California Redemption Value" で49件でてきますけどー(爆)。

DSCN0480.jpg

ありゃりゃ、CA Redemption Value だ。

でも公式にはたぶんやっぱりCRV = California Refund Value

Crv.gif

"Recylers Index Page," Department of Conservation, State of California <http://www.consrv.ca.gov/dor/crcp/recyclers/Pages/Recyclers_index.aspx>

"California Recycle Value" で検索しても若干ヒットします(微笑

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とりあえず、カリフォルニア州限定情報―

RECYCLE LOCATION FINDER <http://www.bottlesandcans.com/where.php

Cf. 

DavisRecycling.org: Recycling Information for Davis, California <http://www.city.davis.ca.us/pw/recycle/cans.cfm> 〔やっぱりCRV はrefund とし、別のところでredemptionという言葉も使っているのが正しい感じ〕

 

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