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September 10 小林旭と歌うカウボーイ Kobayashi Akira and the Singing Cowboy [スザンナ周辺]

September 10, 2008 (Wednesday)

    おとといの「September 8 歌うカウボーイの「おおスザンナ」 (1936)  Oh, Susanna! (1936) by the Singing Cowboy」と題した記事で、「オートリーの初期の映画に『おおスザンナ Oh, Susanna』 (1936) があって、これがシンギング・カウボーイの一番だと話はたいへん気持ち悪いくらいに美しいわけですけど」と書きました。もうひとつ加えると、シンギング・カウボーイの携行する楽器ギターじゃなくてバンジョーだったら、すげー気持ち悪いくらいに美しいわけです。それでも、フォスターのミンストレルの「おおスザンナ」が換骨奪胎、白人化され、同時にカウボーイもスパニッシュ・メキシカンからアングロ・サクソン化されて、ギターを持った渡り鳥カウボーイのイメジに「おおスザンナ」が入り込んでいると夢想するのは楽しいことのような気もしなくもないような気がします。

  それから、 やはりおとといの記事で「シンギング・カウボーイ映画というのはウェスタンのミュージカル版という言い方もされるかもしれませんけど、それほど不自然に音楽がちりばめられていたり キャラクターが歌にあわせて踊りだす[・・・・・・]わけでもなく、わが小林旭のギターを抱いた渡り鳥シリーズの原型といった方がわか りやすいし近いのではないかと思います」と適当なことを調子に乗って書きました。歌うカウボーイはオトリーやロイ・ロジャーズだけではなくてたくさんいるし、そんなに観ているわけではないので、音楽の散らされ方について、断言はできません。小林旭についてはきっと誰かが書いているだろうな、と思って検索しました。次の、『西部劇私的博物館』のなかの「西部劇シネマ館」のなかの「大草原の渡り鳥(1960年・日活)」の記事は、たいへん共感するところ大きかったです。――

 渡り鳥シリーズは全部で8作(9作目に『渡り鳥故郷へ帰る』があるが、主人公の名前もキャラクターも、物語の基本構造すら前8作と異なっているので、私としてはシリーズとして認めていない)ありますが、『大草原の渡り鳥』はシリーズ最高傑作であり、西部劇に一番近い構造を持っています。それは、内容だけでなく、北海道を舞台とした環境与件の効果も大きかったと考えています。

 冒頭、主題歌の流れるタイトル画面で、主人公は馬にまたがり、鞍の後に幼い少年を乗せています。岩だらけの山の尾根を馬で行く『口笛の流れる港町』、広大な丘陵地帯を馬車が走る『大海原を行く渡り鳥』でも西部劇タッチはみられましたが、主人公の登場の仕方だけでなく、そのロングショットにみられる空間的スケールの拡がりは、北海道の広大な自然を背景とした効果であり、他の作品には見られないものでした。
   

 湖のほとりにあるアイヌ部落は、一見してインディアン居留地風であり、アイヌの古老が話す言葉はアイヌ語で、字幕が出る凝りようです。同じ時期の西部劇に、インディアン語の会話に英語の字幕が出る作品があったでしょうか? 先住民族に対する表現は、本場西部劇よりすすんでいたと思います。

〔中略〕
 
 渡り鳥シリーズは、西部劇のパロディというより、私はシンギング・カウボーイだと考えています。主人公の格好を見てください。肩にいっぱいフリルのついた皮ジャンパーや、首に巻いた赤いスカーフなんて、ロイ・ロジャースやジーン・オートリーの衣装です。ジョン・ウェインやクリント・イーストウッドは間違ったってこんな格好はしないでしょう。
 主題歌を歌いながら主人公が現れ、劇中でもギターを弾きながら2~3曲歌います。ヒロインや子どもが聴き惚れる。渡り鳥の場合、悪党連中も聴き惚れてましたが。
 この作品でもアキラ(小林旭)は、主題歌の他に「アキラのソーラン節」と「ピリカ、ピリカ」を歌っています。
 主人公は、どんな悪人であっても殺すことはありません。相手の拳銃をハジキ飛ばすか、利き腕を射ち抜くぐらいですね。渡り鳥では、アキラの代わりにジョーさん(宍戸錠)が悪党を射ち殺して、警察に行きます。この作品でも、自分が殺されかけた恨みをはらすため、逃げて行く高堂を呼びとめます。そして「丸腰の相手は射てねえ」と自分の拳銃を高堂に投げてやり、高堂が銃を拾うと、滝が自分の拳銃を政に投げ、それを受け取った政が高堂を倒します。西部劇ではお馴染みのボーダー・シフトというガンプレイで、アキラが投げた銃を、ワン・モーションで発射するジョーのガンさばきは見事でしたよ。

シンギング・カウボーイがキスする相手は愛馬だけなのと同じように、渡り鳥もヒロインに対してキスはおろか、手さえ握らずに別れるんですね。それもキザな言葉を残して……

この作品では、ヒロインの言葉が泣かせます。

順子「あの子(信夫)には何もおっしゃらないの」

滝 「言えばツライこともある」

順子「じゃあ、私にも何もおっしゃらないで。私、このままじっとしています。何かおっしゃられると、私、とってもツライ」

滝は、背中をむけている順子に、何も言わずに去っていくんですよ。

  私もノスタル爺さんのようなこういう文章を書きたい、気もします。

   このページは「小林旭+ジーン・オートリー」の検索で少数ヒットするなかに見つかったのですが、そのまえについ「小林旭+歌うカウボーイ」で検索して、いろいろ読む羽目になったモーリちゃんの父であり、そのこともさっき書こうとしたのですが、火狐が動かなくなって、消えてしまいました(涙)。いずれその小難しい西部劇論の話はどこかでまた(天命だと信じて・・・・・・また動作停止したらやめます)。

   あ、でもコメントなしでただ並べておきます(むつかしくないのを)。

短歌の花だより: 四国、よいとこ 233 高知市 旭さん、ルリ子さんの ...

(カウボーイのような帽子をかぶった長身の青年が、ギターと拳銃を持って馬で旅行しているという設定がすごい) ... 小林旭ののびやかに歌う「赤い夕陽よ…」が流れ、夕焼けに包まれた馬と小林旭の映像が涙が出るほどいいのです). 「赤い夕陽よ

ちあきの掲示板 02年02月

未発売モノが何曲かあって、そのうちの1曲「地底の歌」には、「美空ひばりのうたう 唄」「小林旭うたう唄」なんて ... その主演した映画の主題歌とヒット曲集の3枚目のジャケット写真は、これぞ日本のシンギング・カウボーイと呼ぶに相応しい。 ...

そして、ぜひ紹介したかったのが、今年で創業49年目を迎える札幌市西区のジャズ・バー Rondo の2代目マスターの映画コーナーの鎌田賛太郎の映画コーナー 第7回「永遠のガンマン大連合! これを聴かずに死ねるか!!」 2002/04/30開催です。マスターは次のような文章で、西部劇における音楽を紹介していきます。――

 19世紀、アメリカ西部のカウボーイたちは牛を追い、長い道のりを移動しながら生活した。夜になると牛を落ち着かせるかのように、あるいはキャンプファ イアを囲み、長い夜の退屈しのぎに歌ったものだ。従って開拓時代の西部は実に歌に溢れた世界であり、西部劇というジャンルは歌とかけ離れては成り立ち得な いものだといえるだろう。今日は西部劇の美しい音楽を聴いていただきたい。
 さて、西部劇といえばジョン・フォードに尽きるだろう。今日は何本か紹介したいが、まず騎兵隊3部作といわれる中の一本「リオ・グランデの砦」から聴い てみたい。もちろん主演はジョン・ウエイン、別居中の妻をモーリン・オハラが演じている。横暴なアパッチ族との戦いの中で、ウエインの息子が部隊に入隊し てくる。ウエインの見せる、父親と上官、両面の表情が何とも素晴らしい。歌のシーンが多く、しみじみとした気分が横溢するこの作品には、サンズ・オブ・パ イオニアーズという男性ボーカルグループが連隊歌手として登場している(メンバーの一人がフォードの娘婿だ)。上官に歌を捧げるシーンを聴いてみよう。
1「リオ・グランデの砦」(50年)歌サンズ・オブ・パイオニアーズ 音楽ヴィクター・ヤング

  カウボーイ自身と音楽の親密さはおとといの記事でもふれましたが、それと背景に音楽があるというはいちおう別なのでしょうけれど、マスターは、シンギング・カウボーイというのでなくて、西部劇映画のガンマンと音楽について語り、そのなかでプレスリーや小林旭もあげます――

 エルビス・プレスリーも「燃える平原児」という西部劇に出演している。監督は名手ドン・シーゲル。プレスリー演じるペイサーは牧場主とインディアンの間 に生まれた混血児で、白人とインディアンの戦いに巻き込まれ、どちらにつくべきか激しく揺れ動いていくことになる。原題の「FLAMING STAR」は、燃える星の意。インディアンの言い伝えで、人は死ぬときに激しく燃える星を見るらしい。「燃える星よ、どうか俺に輝かないでくれ」と歌うプ レスリーの主題歌、それに続く歌のシーンをみよう。それにしても、プレスリーはシャツの襟を立て、カウボーイ姿も実に様になっていた。
5「燃える平原児」(60年)歌エルビス・プレスリー

 日本のガンマンも一人紹介しよう。小林旭だ。60年代の日活の渡り鳥シリーズは、ギターをしょった旭演じる滝伸次が日本の各地を訪れ、土地や店を奪おう とする悪漢を倒し、純情な娘の慕情を断ち切って去って行く、というもので、宍戸錠との荒唐無稽な掛け合いも呼び物のひとつだった。渡り鳥シリーズは全部で 9作が作られ、5作目の「大草原の渡り鳥」で、ついに西部劇に到達する。舞台は北海道の釧路、摩周湖。旭が、母を捜す子供を連れ、馬に乗って登場する冒頭 からわくわくしよう。
 ところで、最近大滝詠一監修で旭のCDが4枚発売された。その名も「アキラ1」「アキラ2」「アキラ3」「アキラ4」。どれも傑作だゾ。
6「大草原の渡り鳥」(60年)歌 小林旭

    さて、映像ですけれども、日本語では見つからないページにいちばんきれいなのがありました。――


"Plains Wanderer Trailer (in Japanese)" (3:44) posted by JapanMovies

  "trailer" というのは予告編のことです。投稿者による英語の解説――

1960, 83 min., 35mm, color. Directed by Buichi Saito. With Akira Kobayashi, Ruriko Asaoka, Jo Shishido.

In the nine-part Wanderer series (1959-1962), Akira Kobayashi plays Taki, a man with the looks of a Western hero--from a horse to fringe, a guitar and even a trusty bullwhip--traveling on Japan's back roads. Taki involves himself in a fight alongside the Ainu (Japan's aborigines) against a developer who wants to turn their land into an airstrip. In addition to having the landowner's niece fall in love with him, Taki finds a rival then an ally in Masa (Shishido) as they exchange snappy banter and slick moves throughout the film. 

   次のは短い映像で、『赤い夕日の渡り鳥』 (1960) から、キザになりそこねたセリフ (0:38) ――

「渡り者なんか頼りにしちゃいけねえよ。俺よりほかにもっとまともな男がいるさ。
人に頼られて、それがいやでまた流れる。そこでまた人に頼られる。それが渡り鳥の悲しささ。」

そして、1959年発売の「ギターを持った渡り鳥」――

(3:45) posted by doramogera

 

    燃える男の赤いトラクター♪ というのは、愛馬のかわりなのでしょうね――

「♪燃える男の赤いトラクター♪」 (0:53) posted by gokurakurider

 

風に逆らう俺の気持ちを知っているのか、赤いトラクタ-
燃える男の赤いトラクター それがお前だぜ、いつも仲間だぜ
さあ行こう、さあ行こう
地平線に立つものは 俺たちふたりじゃないか

-----------------------

『西部劇私的博物館』 <http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/museum/index.htm> 〔「西部劇好きのノスタル爺が、折に触れて収集した西部劇に関する我楽多で~す」〕


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依光次郎

nice!ありがとうございました。

太平洋沿岸州のほうにコメントと思いましたが、こちらのほうに。
渡り鳥シリーズ現役世代(より少し若い?)ですが、東宝・日活・大映系の劇場が近所でなく、当時もっぱら東映・松竹系でした。でも吉永小百合の映画は皆観たから、ピンと来なかったのでしょうね。今でもアキラは好きなほうではないです。

でも、記事を見て俄然観たくなりました。(^_^
by 依光次郎 (2008-09-12 04:12) 

morichan

依光次郎さま
おはようございます。カリフォルニアは午後2時になるところです。
なんか2ヶ月がかりで申し訳ないです(微笑)  
それとナイスとコメントとか慣習がよくわかっておらず、礼儀知らずですいません。
感謝とともに

by morichan (2008-09-12 06:05) 

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