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August 5, September 16 カリフォルニアの空 Californian Sky [断章 fragments]

August 05; September 16, 2008

   4月にカリフォルニアに来て、最初の数カ月は、夕方、「あ、スゴイ」とか誰かが叫んで、ベランダに出て夕陽を眺めた。それと、(これはもっぱらモーリちゃんの父だけれど)朝早く起きて、朝焼けの写真を撮ったりした。 それがいつのまにかベランダまで出ることはなくなった(ような気がする)。

  人間は習慣の生き物である。最初の感動はやがて習慣となる。そうして、刺激だらけの世界のなかで、おそらく、過度の感受性によって理性的な生のありようから感覚本位の生に引き戻されないように、感動は鈍っていく。初めて聞いた鐘の音を人は二度と聞くことはない、というのはだれの言葉でもなく、モーリちゃんの父がいま適当につくったことばだけれど、ボルヘスの好きなヘラクレイトスの、「人は二度と同じ川に降りて行かない」(人も変わるし川も変わるから)というのとは別の真理を含んでいるような気がしなくもないような気もする。「純粋感覚」というもの(と書きながら、ああ、自分は今たぶん高橋巌の『神秘学序説』を半分はなぞっているのだな、とも感じている)を人はときどき取り戻すのだろうか。国木田独歩が「武蔵野」でロマン派の「驚き」と言ったのはたぶんそれなのだろう。

  写真とか芸術作品、というか広く言えば人工art の価値の一部には、そういう忘れた自然の驚きの感覚を取り戻すことがあるのだろうな、とも思う、モーリちゃんの父はリアリズム派じゃないので、自然の模倣 mimesis が芸術の本質だとは思ってないけれど。 そして、実は現実とは違っていることも知りながら、人間は感動したりする。

 

 Albany,CA_August5,2008_8pm.jpg

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