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October 19 『ファニー・フェース』 (1927) のプロット II ――ミュージカルの歌詞というもの(下の2)――アイラ・ガーシュウィンの「ス・ワンダフル」 (5)  On Musical Lyrics: " 'S Wonderful" by Ira Gershwin (5) [歌・詩]

October 20, 2008 (Monday)

FunnyFace(1927).jpg

Fred Astaire and the Boys (上) Fred Astaire and Dora, June, Frankie (下)

October 8, 19 『ファニー・フェース』 (1927) のプロット I ――ミュージカルの歌詞というもの(下の1)――アイラ・ガーシュウィンの「ス・ワンダフル」 (4)  On Musical Lyrics: " 'S Wonderful" by Ira Gershwin (4)

のつづきです。

   実はミュージカルタイトル曲となった "Funny Face" にはフィナーレ・ウルティモの歌詞が2ヴァージョンあるのです。が、それはプロットがわかったあとにとっておくことにします。

   自分を育ててくれた(と思われる)義父の3人の娘の後見人となって同じ家に住んでいるのがジミー・リーヴズ(フレッド・アステア)でした。もともと虚言癖のある娘フランキーは日記にジミーを中傷することを書いたため没収されてしまう。それを返してもらおうという下心をもってフランキーはジミーに対しているので、 その二人のやりとりが内容になっている "Funny Face" は、ストレートな恋の歌という感じがしません。ふたりして互いに「あなたのおかしな〔おもろい〕顔が好き」と言いあっている(笑)。ただ、プロットに直接かかわるのはジミー のverse の冒頭の "Frankie, dear, your birthday gift reveals to me / That at heart you're really not so bad." (フランキー、君の誕生日プレゼントでわかったけど、ほんとのところ君は実はそんなに悪い娘じゃないかもしれない)ぐらいかもしれない。続く "If I add, your funny face appeals to me, / Please don't think I've suddenly gone mad." (ついでにいうと、君のおかしな顔にぼくは魅力を感じている。突然おかしくなったなんて思わないでほしいけど)によって詞の世界が広がる(笑)わけですけれど。実際、ジミーとフランキーが恋をしたっておかしくはない世界なのでしょう。

  さて、そのあとジミーは友人たちに、女の子の扱いは気をつけるべしと忠告します。それが "High Hat" という歌です〔Fred Astaire and "boys"〕。この曲はフレッド・アステアの初めてのシルクハットに燕尾服のいでたちでのパフォーマンスだったということになっています。アステアの "Top Hat" という曲のほうが有名かも知れず、WEBの映像ではそちらしか見つかりませんでしたが、言葉としては、high hat はtop hat と同じシルクハットの意味を持つと同時に、比喩的に「高慢な(やつ)」、"high-hat" として動詞で「見下す」「鼻であしらう」「気取る」「お高くかまえる」、形容詞で「お高くかまえた」「こうまんちきな」「しゃれた」、名詞で「気取り屋」「俗物」というような意味があります。たとえばget high-hat で「気取る」「お高く構える」。(あ、あとシンバルの二つ重ねもhigh hat なので、映像については検索がわやです)。verse はジミーの "When a fellow feels he's got to win a girlie's handie, / He will send her loads of flowers, books, and tons of candy."(女の子の手をニギニギしたいと思えば、たくさんの花や本、いっぱいのキャンディーを送るだろう)で始まり、Boys が "The overhead is big; / Oh, how they make us dig!" 〔overhead (間接)経費というような意味ですが、頭や帽子と縁語になっている〕と応答し、ジミーは "No use stepping out that way―The thing to do is lay low. / You can't win by treating her as if she wore a halo" 〔step out は「威勢よくふるまう」「社交にふける」。The thing は大事なこと。lay low は多義的ななイディオムですれど、ここではおそらく「やっつける」「打ちのめす」というような感じでしょうか〕と答える。 "What is your solution? / Tell us if you can." (解決策はなに? 僕たちに教えてください)というboys に対してジミーが "Here's my contribution / To Man:" (これが男性に対するぼくの寄与だ)といって始まるのがrefrain です。

High hat!
You've got to treat them high hat!
Don't let them know that you care;
But act like a Frigidaire.
You'll win them like that!
Stand pat!
Put on your gayest cravat,
But keep your feet on the ground.
Oh boy!  How they'll come around!
Just treat them high hat!

ピアニストでcabaret singer として有名なBobby Short (Robert Waltrip "Bobby" Short, 1924 – 2005: Cf. Wikipedia)の歌唱の試聴(リフレインの4行目からしか聞こえませんが)――・High Hat (2006 Remastered LP Version)試聴 cf. New York Times の記事――"CABARET REVIEW; Bobby Short, Displaying A Little Bit Of Soul" (2004.5.6).

BobbyShort.jpg

Bobby Short, Bobby Short Is K-RA-ZY for Gershwin (1973, Atlantic; 2006 Remasterd)

  ここで、タイトルの "high hat" が初めて出てきて、それは女の子を "high hat" に扱え、というアドバイスなのでした。まあ、よくいえばクールに扱え、という感じでしょうか。リフレイン4行目のFrigidaire は1919年(発明は1916年)以来のアメリカの電気冷蔵庫フリジデアーの商標名、会社名(語源的にはfrigid + air)(Cf. Wikipedia)。 5行目の "Stand pat" はカードゲーム(ポーカーなど)で手を変えないというところから比喩的に「方針や決意を固守する」という意味のアメリカ英語(standpatterというと現状維持派、改革反対保守派です)。

    それにしても、3行目の "Don't let them know that you care" (彼女たちに好きだとわからせないようにしろ)というのは、このあとの "'S Wonderful" の "'S wonderful!  'S marvelous― / You should care for me!" と響きあうことになるのですかね。舞台上では。

  またここで一服入れます。ちょっと唐突に第一次大戦後の1920年代のフラッパーの映像。女の子とつきあうには金がかかるというのは必ずしも太古の昔からそうであったわけではなく、フィッツジェラルドなどを思い出したりもし。というだけでなくFunny Face の3人の娘はフラッパーに設定されているようなのでした。


" Flappers - The Roaring Twenties " (6:24) posted by "Aaron1912" on May 8, 2007

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