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October 29 メイポールを巡って (1) ――ルネサンス・フェアをめぐって (中の続きのつづき)   About the Maypole (1): Renaissance Fair (4)  [America]

October 29, 2008 (Wednesday)

  時間があいてしまいました。

October9 メリーマウントのメイポール(五月柱)――ルネサンス・フェアをめぐって (中の続き)  Renaissance Fair (3) 

のつづきです。

    お待たせしたかどうかわかりませんが、五月祭(May Day)の話です。ちなみに五月祭の「イブ」、つまり4月29日から5月1日にかけての夜が「ワルプルギスの夜」で、魔女のsabbath が開かれることで有名です。ちょうど半年の間隔を置いて、ハロウィーンがケルトの新年(キリスト教で万聖節)の前夜10月31日から11月1日にあたっているというのを思い出させます。

  五月祭は、日本語のウィキペディア「五月祭」を信用すれば豊穣の女神を祭る古代ローマの祝祭に由来し、キリスト教文化の中では春の到来を祝うものとなったそうです。

  英語のWikipedia の "May Day" を見ると、 "Traditional May Day celebrations" という見出しで "Origins"から "United Kingdom" からあれこれ書かれているところがあるのですが、その前段の短い一節が、奇妙にアメリカのことを、しかも21世紀のことまで、書いています。――

May Day marks the end of the winter half of the year in the Northern hemisphere, and it has traditionally been an occasion for popular and often raucous celebrations, regardless of the locally prevalent political or religious establishment. (メイデーは北半球において一年の半分の冬の終わりを告げるもので、伝統的に、土地の政治的ないし宗教的な体制とは無関係に、民衆のしばしば騒がしい祝祭の機会であった。)

As America became Christianized the pagan holidays lost their religious character and either changed into popular secular celebrations, as with May Day, or were replaced by new Christian holidays as with Christmas, Easter, and All Saint's Day. In the start of the twenty-first century, many neopagans began reconstructing the old traditions and celebrating May Day as a pagan religious festival again. (アメリカがキリスト教化されると異教の祝日は宗教的な性格を失ない、メイデーのように民衆の世俗的な祝祭に変化するか、あるいはクリスマス、イースター、万聖節などのように新たなキリスト教の祝日にとってかわられるかした。21世紀の初頭に、多くのネオペーガンたちは古い伝統を再構築し、メイデーを異教の宗教的祭りとして再び祝い始めた。)

  まじっすか。

  そのメイデーの祭りの中心にあるのがメイポールと呼ばれる柱です。このあいだの記事では女子大でのメイポールの写真<http://www.bsc.edu/folklore/customary/maypole.htm>がありましたが、19世紀からどうやら少なくとも英米ではメイポールは丈が概して低くなり概して子供や女性がダンスをするという形態が広まったようです。しかし歴史的には――少なくとも17世紀までさかのぼれば――しばしば性的放縦との連想が高かった(であるがゆえにしばしばオカミから禁圧されることもあった)祭でした。

786px-National-Park-Seminary-May-Day-1907.jpg

  メリーランド州Forest Glen に 1894年から1942 年まであった私立の「教養学校」("finishing school") のNational Park Seminary におけるメイデーの祝祭 (1907)  <https://secure.wikimedia.org/wikipedia/en/wiki/National_Park_Seminary>

   この写真だとどれが柱かわからんかもしれませんが、右側で向かい合って花冠をかかげている2人の後ろにノボリみたいな長い布がたくさんかかっているのがメイポールです。

  あと、ちょっと調べてみないとよくわからない、アラバマ州の、たぶん1910年の写真――

Alabamamaypole1910.jpg

  手前に立って眺めている大人は白人のようにも見えますけれど、子供たちは皆、黒人なのかしら? <http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Alabamamaypole1910.jpg>

  さらにややこしいのは――しかし、メイデーというと、こちらの連想のほうが強い――労働者の日という意義――

WalterCrane1894theworkersmaypole.jpg

Walter Crane, The Workers' Maypole (1894)

    もっともこの絵はラファエロ前派とつながるWalter Craneのちょっと特殊な手工業的職業観と中世ロマンス的世界観のあらわれかもしれず、労働者のメイデー(「メーデー」ウィキペディア)はもっとドライな(つまるところ教会に迷惑がかからない祝日という)ところから設定されたものかもしれないのですが(よくわからんです)。

  イギリス南部のドーセットシャーの伝承を扱う DarkDorset.co.uk というサイトの著者がYouTube に投稿している動画と解説はどれも興味深いのですが、今年の "Bridport's Mountfield Green May Fair"のMay Queenと May Pole dance の映像を(もっとも5月1日ではなくて5日に行なわれていますが)―― 

 

 " All Smiles for May Queen Tilly " (4:36) posted by  "darkdorset" on June 27, 2008: "[. . .]  After the crow[n]ing ceremony the new May Queen led her subjects to the arena where the maypole was set up and altogether the children performed a couple of pretty ribbon dances. It was a traditional performance which was enjoyed by a very large audience. Dancing around the maypole is an ancient fertility rite performed to welcome the return of summer, while the May Queen is meant to represent Flora - the goddess of flowers. The two are hence connected by their crowns of flowers.[. . .]"

    May queen というのは五月の女王、メイクイーンですが、 女王に選ばれた少女は花の冠をかぶります。メイクイーンはFlora 、つまり花と春と豊穣の女神です。一方、ポールのほうも花冠をかぶせられ、リボンを織りあげられて飾られる。ポールのほうは性的なシンボリズムとしては男根ということになりますわな、いちおー(英語版Wikipediaの "Maypole" には、『ファニー・ヒル』の"...and now, disengag'd from the shirt, I saw, with wonder and surprise, what? not the play-thing of a boy, not the weapon of a man, but a maypole of so enormous a standard, that had proportions been observ'd, it must have belong'd to a young giant." という一節が明白なメイポールの性的表現として例示されてる)。しかし、ここで上のウォルター・クレインの絵がおもしろいのは、あくまで女性として「メイポール」を描いていることです。「Eight Hours 8時間労働」とか「Leisure for All 万人に余暇を」とか書かれたリボンの中心に屹立しているのは女神ですから。

     ところでこの英国の田舎のMay Fair ですが、伝統を守るといっても19世紀に始まったとされる色とりどりのリボンを少女たちが織りあげ、踊る、というもので、とりたててルネサンス~という感じはないかもしれません。

   しかし、虚構とはいえ、カナダのバンド Men Without Hats (オフィシャルサイト menwithouthats.com) のヒット曲 "The Saftey Dance" (1982) のミュージック・ビデオには驚きました――

   Safety Dance/Men Without Hats - Recherche video sur Truveo <http://fr.truveo.com/Safety-Dance%EF%BC%8FMen-Without-Hats/id/2314625886>

     小人の道化に導かれてモリス・ダンスの一団に加わってシェーをしながら行った先では五月祭が。こりはメイポールのルネサンスフェアじゃないっすか。

   Wikipedia "The Safety Dance" によれば、ロケ地はイングランド南西部のWest Kington という村だそうです。 

     次回は、たぶん、歴史をさかのぼります。

ここまで読んでいただきほんとうにありがとうございます。ついでに押してもらえるとまじうれしぃです。

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Murray N. Rothbard,"What Really Happened at Plymouth" <http://www.lewrockwell.com/rothbard/rothbard130.html> 〔Excerpted from Ch. 18 of Rothbard's Conceived in Liberty: a free ebook (PDF)

Maypole Dancing: Smatters <http://www.smat.us/maypole/> 〔ミネソタ州のAtwood-Smith さんのホームページ "For about ten years, our town of Hastings, Minnesota, hosted an annual Maypole Dance as part of the now-abandoned Front Porch Festival." 写真やQ&A や資料〕

DARK DORSET a guide to myth, folklore, ghosts and ghouls from ancient Dorsetshire <http://www.darkdorset.co.uk/>

 


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